無料で使えるC言語のプログラミング開発環境(コンパイラ・実行環境)についてまとめました。
【C言語】開発環境(Windows編)
無料で使えるC言語のプログラミング開発環境(コンパイラ・実行環境)はいくつもあります。
今回はその代表例をまとめてみました。
ツール | 説明 |
---|---|
Visual Studio | C言語開発環境で最も代表的なものは、Visual Studioです。マイクロソフトが提供する開発環境で素早く簡単にさまざまなプログラムを作成できます。本格的にアプリケーションを作成する場合はVisual Studioですが、コード補完機能や一部独自仕様があるため、初学者はMinGW(GCC)やBCCがおすすめです。 ■【VS2019】Windows10にインストールする方法 |
MinGW(GCC) | MinGWとは、フリーのコンパイラであるGCCを、Windows向けに移植したものです。Windows APIのためのヘッダファイルを含んでいるため、Windowsアプリケーションの開発にも利用できます。Visual StudioのC言語はマイクロソフト独自仕様があるため、入門者にはスタンダードなC言語を使えるMinGW(GCC)がおすすめです。 ■MinGW(GCC)のインストール(Windows10) |
Borland C++ | Borland C++ とは、個人利用の場合は無料で使えるCコンパイラです。エラー表示が日本語なので入門者におすすめです。詳細は下記事で紹介しています。 ■【Borland C++ 】Windowsにダウンロード&インストール方法 |
Ideone | Ideoneは、ブラウザで使えるプログラミング環境です。インストール不要なので手軽に使えます。(登録も不要)簡単なC言語のプログラムを実行したり練習するのに適しています。 ■Webブラウザで使えるプログラミング実行環境まとめ |
【開発の流れ】流れ図~実行ファイル作成
C言語のプログラムの開発の流れは下記の通りです。
– | 流れ |
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① | 仕様書を元に流れ図を作成する |
② | 流れ図を元にC言語のコードを書く |
③ | Cコンパイラでプログラムをビルドする(コンパイル+リンク) |
④ | Cコンパイラでデバッグする |
⑤ | 実行ファイル完成(.exeファイル生成) |
個人で小規模なプログラムを作る場合は、流れ図を作らずにいきなりコードを書いたりしますが、規模が大きくなるほどちゃんと①からやる方が後々楽になります。
【ポイント】理想的なプログラム
問題なく要求どおりの動作をするプログラムを作るのは勿論ですが、
特に重要なのは「出来る限りシンプルなプログラムを作成」することが理想となります。
特に業務用のプログラムでは、自分が作成したプログラムを他の担当者などに引き継いだりする際に
複雑で見にくいプログラムだと困ります。
そのため、以下の3つを意識してプログラムを組むことが大切となります。
– | 項目 |
---|---|
1 | プログラムを出来るだけ単純な構造にする |
2 | コーディングルールをきっちり守る |
3 | システムドキュメント等で開発経緯をしっかり残す |
【ポイント】代表的な記述ルール
C言語の代表的な記述ルールは下記の通りです。
– | 主なルール |
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1 | 原則、「半角英数字」を使用してコードを書く。 |
2 | バックスラッシュ(\)は\を使用する。 |
3 | プログラムを書く位置に規制はない。(処理の順序が間違っていなければ良い) |
4 | 文(1つの命令)の後に必ず「;」を付ける。 |
5 | /と/で囲ったものをコメント文という。(コメント文にはプログラムの説明などを好きに書ける) |
プログラムを書く位置に規制がないなど、比較的自由な記述が可能ですが、
個人個人が自由奔放にプログラムを書くと、他者が解らないプログラムばかりになってしまいます。
そこで実際には、コーディングルールと呼ばれる共通のルールに則ってプログラムを書くことが一般的です。
【ポイント】わかりやすいC言語プログラム
わかりやすいC言語プログラムを書くポイントをまとめると下記の通りです。
– | – |
---|---|
1 | はじめにプログラムの機能(タイトル)を説明するコメント文を書く。 |
2 | 関数名や変数名にはわかりやすい名前を付ける。 |
3 | 宣言文とプログラムの間は1行空ける。 |
4 | main()や{ } の位置を揃える。 |
5 | ブロックの中は字下げする。 |
6 | 1行に2つ以上の文は書かない。 |
7 | 各文の内容を説明するコメント文を付ける・ |
わかりやすいプログラムを意識して作成することで、他者へプログラムを円滑に引き継ぐことが出来たり、記述ミスやバグ修正の負担を減らすことが出来ます。
画面に「Hello, World」と表示するプログラムを例に簡単な書式を解説します。
/* Hello, World と表示するプログラムです*/ #include<stdio.h> int main(void) { printf(“Hello, World”); return 0; }
– | 説明 |
---|---|
① | プログラム本体は半角アルファベットのみで記述します。 |
② | 処理の終わりには、「;」を必ず入れます。(上記だと処理はprintf) |
③ | コメント文(/ ~ / でくくった部分、もしくは//~)は日本語(全角)使用可能です。(プログラムを解説するのに使います) |
【最後に】C言語の基本構成
C言語のプログラムは以下のような構成となっています。
プログラミングの初心者にとっては訳がわからないと思うので、こんなのがあったな程度に頭の片隅に入れて色々なプログラムを書いて動かしてみるといいと思います。
型 関数名(引数) { 処理; return 戻り値; }
項目 | 説明 |
---|---|
型 | 関数の戻り値の形式です。(int、double、charなど)引数がない場合はvoidを使います。 |
関数 | プログラムの一連の処理の単位でう。 |
関数名 | 関数は自分でも作成できます。その場合は関数に自由に名前を付けます。それが関数名です。(C言語には必ずmain関数が1つ必要です) |
引数 | 関数に渡す値のことです。(複数指定する場合はカンマ「,」で区切ります) |
処理 | プログラムの処理(計算など)です。行末にはセミコロン「;」を付けます。 |
戻り値 | 関数内の処理を終了した際に、呼び出し元に対して渡す値です。(型がなく関数がvoidの場合は不要) |
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